こども地球ごはん教室

家庭で学ぶ食べ物の変化:発酵や調理を通して知る食育と環境への気づき

Tags: 食育, 環境, 食品ロス, 発酵, 調理

食卓に並ぶ食べ物は、収穫されたり作られたりした後、様々な変化を経て私たちの口に届きます。これらの「変化」に目を向けることは、子どもたちの食への興味を引き出し、食育を深めるだけでなく、食品ロス削減や環境への意識を育む大切な機会となります。

日常にある食べ物の変化とは

私たちが日頃、キッチンで目にしたり行ったりしていることの多くは、食べ物に変化を与える行為です。例えば、食材を洗う、切る、加熱する、冷やす、味付けをする、保存するといった全ての工程で、食べ物は形や色、香り、味、硬さなどを変えていきます。

これらの変化は、食べ物そのものが持つ性質に加え、温度、湿度、光、空気中の微生物、そして私たちの調理の工夫によって引き起こされます。特に、腐敗や発酵といった微生物による変化は、食べ物と環境のつながりを深く理解する上で重要な視点を提供します。

加熱・冷却が教える食育と環境

加熱の変化と学び

食材に火を通す「加熱」は、食べ物を変化させる最も身近な方法の一つです。加熱によって、肉や魚の色が変わる、野菜が柔らかくなる、香りが立つなど、目に見える変化が起こります。

冷却・冷凍の変化と学び

食材を冷蔵庫や冷凍庫に入れる「冷却」や「冷凍」も、大切な変化です。これは主に食べ物の腐敗を遅らせ、長期保存を可能にするための変化です。

微生物による変化:発酵と腐敗

食べ物の変化の中で、特に奥深く、環境とのつながりが強いのが微生物による変化です。

発酵が教える食育と環境

発酵は、微生物(酵母、乳酸菌、麹菌など)が食べ物の中の糖などを分解し、私たちにとって有益な成分(アルコール、酸、うま味成分など)を作り出す変化です。味噌、醤油、ヨーグルト、納豆、パン、チーズ、漬物など、私たちの食卓には発酵食品が溢れています。

腐敗から学ぶこと

腐敗は、微生物が食べ物を分解し、人間にとって有害な物質を作り出す変化です。嫌な匂いやぬめり、カビの発生などがサインです。

忙しい毎日で実践できること

食べ物の変化から学ぶ食育は、特別な時間や場所を必要としません。日々の料理や食事の準備、片付けの中で自然に取り組むことができます。

まとめ

食べ物の変化に注目することは、子どもたちに食の不思議さや面白さを伝え、食べ物への感謝の気持ちを育む素晴らしい食育の機会です。同時に、適切な管理や工夫を通して変化をコントロールする知恵は、食品ロス削減という具体的な行動に繋がり、地球環境への配慮へと意識を広げます。

忙しい毎日の中でも、料理中や食事中に少しだけ立ち止まり、食べ物がどのように姿を変えているのかを子どもと一緒に観察してみてください。小さな「なぜ」や「どうして」から、食の世界、そして地球環境への関心が大きく広がっていくことでしょう。