こども地球ごはん教室

おやつから学ぶ食と環境:親子で取り組む簡単なステップ

Tags: 食育, おやつ, 環境問題, 食品ロス, 親子

おやつ時間は食育と環境を考える機会

子どもたちにとって、おやつの時間は日々の楽しみの一つです。甘いものや好きなものを食べるのはもちろん楽しいことですが、この身近な「おやつ」を通して、食育や環境について親子で一緒に考える良い機会とすることができます。忙しい毎日の中で、特別な時間を作るのは難しいかもしれません。しかし、少しの意識と簡単な工夫で、おやつ時間をより豊かな学びの時間に変えることが可能です。

健やかな体と地球を育むおやつの選び方

市販のおやつには様々な種類があります。選ぶ際には、単にお子さんの好みに合わせるだけでなく、いくつかの視点を取り入れることができます。

一つは「栄養」です。おやつは食事で不足しがちな栄養を補う時間とも考えられます。果物や牛乳・乳製品、おにぎり、干し芋など、素材そのものを生かしたおやつを選ぶことで、自然な甘さや旨味に触れる機会が増えます。

次に「環境」の視点です。おやつのパッケージは、食べ終わるとごみになります。過剰な包装がされていないものを選んだり、リサイクルしやすい素材でできているか確認したりすることも、環境への配慮につながります。また、地元で生産された旬の果物や野菜を使ったおやつを選ぶことは、輸送にかかるエネルギーを減らし、地域の活性化にも貢献します。いわゆる「地産地消」をおやつ選びから実践することができます。

簡単手作りおやつでフードロスを減らす

時間がある時には、お子さんと一緒におやつを手作りしてみるのもおすすめです。市販品に比べて使う材料が分かりやすく、また調理の過程を体験することで、食べ物への関心も高まります。

手作りおやつは、家庭で余りがちな食材を活用する絶好の機会です。例えば、少ししなびてきた果物をジャムにしたり、パンの耳をラスクにしたり、残った野菜の切れ端を混ぜてお焼きにしたりと、工夫次第で様々なものが作れます。これは、食品ロスを減らす具体的な行動として、お子さんにも分かりやすく伝えることができます。

オーブンを使わない簡単なレシピもたくさんあります。ホットケーキミックスを使った蒸しパンやクレープ、果物とヨーグルトを混ぜるだけなど、忙しい日でも短時間で作れるものは多いです。一緒に作る楽しさや、できたてを味わう喜びは、お子さんにとって忘れられない体験となるでしょう。

おやつを食べる「時間」と「場所」も大切に

どのようなおやつを選ぶかだけでなく、いつ、どこで、どのくらい食べるか、ということも食育において重要です。規則正しい時間に食べることで、生活リズムが整い、食事への影響を最小限に抑えることができます。

テレビを見ながら、遊びながらといった「ながら食べ」ではなく、食卓などに座って落ち着いて食べる習慣をつけることも大切です。これは、味覚に集中し、食べ物と向き合う時間を持つことにつながります。また、適量を知り、食べきれる分だけを用意することで、食べ残しを減らす意識も育まれます。もし食べ残してしまった場合でも、すぐに捨てるのではなく、保存しておいて後に食べるなどの工夫をすることで、「もったいない」の気持ちを育むことができます。

おやつを通した親子の対話

おやつ時間には、ぜひお子さんと食べ物に関する簡単な会話をしてみてください。「このいちごはどこから来たのかな」「このビスケットの袋は食べ終わったらどうなるんだろう」といった問いかけは、お子さんの知的好奇心を刺激し、食や環境への関心を自然に引き出します。

一緒にスーパーでおやつを選ぶ際に、パッケージの表示を見て「これはプラスチックでできているね、どうやって捨てるのが良いかな」と話したり、手作りおやつを作る時に「この材料は何からできているかな」と考えたりするのも良いでしょう。難しい話をする必要はありません。日々の小さな気づきを共有することが大切です。

楽しみながら、無理なく続けること

おやつを通した食育や環境学習は、決して難しいことではありません。完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ取り入れてみることが大切です。お子さんとの楽しい時間であるおやつを通して、食べることの喜びを知り、同時に地球への感謝や配慮の気持ちを育んでいく。その積み重ねが、お子さんの健やかな成長と、より良い未来につながっていくことでしょう。